Take it easy 第四章 ~研究・教育人生:序論~

憧れだった大学教員として歩み始めました。研究者・教育者として、己の在り方を日々模索しながら、向上心をもって過ごそうと思います。

YNU21

今日の昼休みに、教職員向けに開催された

横浜国立大学21世紀中長期ビジョン(YNU21)を語る会主催の懇談会に参加してきました。

 

これからの横浜国大(YNU)をどうしていきたいのかを、

学内から選抜された若手中堅の先生方が集まって話し合った結果の中間発表という形でした。

私は、聴衆の一人です。

 

きっと上記のような、お題目が掲げられると、「堅そうだなぁ」とか「自分には関係しないことだし」と思う人が多いように思います。

そもそも、多くの人が、なんでこんな会が必要なのか、真剣に考えないように思います。

 

私も感覚的に大事なことだと感じたから、このような会に参加したわけで、

じゃあ、例えば「50年後のYNUをよくするためのビジョンを示せ」詰め寄られたら、正直、回答に窮すると思います。

 

大学にいれば、多くの人は予定がないはずの昼休みの開催なのに、なぜ多くの教職員がこのような会に興味を持たない(こない)のか。

 

私の理解としては以下の3点かなと

1.自分が今いる組織の置かれている状況が正しく理解できていない

2.様々な理由で(言い訳して)状況を理解しようとしない、考えようとしない

3.無知な自分を悟られるのが怖い

 

広報の仕方が悪いとかは、もちろん影響がないとは言わないですが、

やはり本質からは、ずれているように思います。

私も偉そうに書いていますが、昨日(この会は、昨日と本日の2階ありました)は午後すぐの予定を理由に、この会に参加しませんでした。

 

今日の会に出てわかったのは、ビジョンをつくることがこの会の(当初の)目的なのではないということ。

 

自分の中で、「こうしたい、あるべきだ」というビジョンを持っていることは、何かをつくりあげていく(目標に到達する)、指針になるので大事だと思います。

ただし、時代や周辺環境の変化、知識が増えれば変化してもよいはずです。

社会人歴とか、立場とかを口にするのもいい訳で、それぞれの置かれている状況で、目指したい方向性(ビジョン)はあるはずです。

 

自分が普段考えていることや感じていることを構成員と共有することが何より大事で、

その中で、考えが洗練され、自分のビジョンの骨格が明確化する。

組織に属する以上、構成員の合意が必要なので、構成員のビジョンのすり合わせが組織としてのビジョンになるのだと思います。

 

もっとも自分に身近で、所属する最小の組織を考えると、それは家族です。

家族には幸せになってほしいし、そのためには徹底的に考え、ビジョンを示し、構成員と共有し、家族のビジョンを掲げ、小目標にブレークダウンして実行すると思います。

 

 共有するビジョンに納得して、日々を過ごすと、我慢もあるけれど、なんか楽しいよなと思います。楽しくなければ、ビジョンのすり合わせがまずいか、

所属する組織が、そもそもどうなんだということになります。

(例:最近は、将来の小松家の将来像を考え、私の健康に配慮し、20代の時には考えられなかった、定期的な運動と食事制限を強いられておりますが、やってみると楽しい。) 

 

家族でできて、社会的組織でできないとすれば、それは「自分の組織(仕事)が好きである(感謝している)」ことかなと思います。

 

私の場合は、母校なので非常にこの組織が好きですし感謝していますが、

所属するこの組織が必ずしも自分が望んだ組織でない人(仕方なくいる人)もいるかと思います。

今の自分自身としては、自分の影響範囲で、周囲に自分たちの組織を好きになってもらうよう、行動で示していきたいと思います。

主体性を育む

学生と相対していて、「主体性」をはぐくむことの難しさを、痛感しています。

別に学生に限った話ではない気もしますが、どのように周囲の人に主体的にかかわってもらうか。

 

何か物事を実行しようとしたとき、発案者と実行者が同じ場合は、当然その人は主体ですので、主体的なります。

 

ただ、多くの場合、物事は一人では達成できず、誰かの助けを借りることがあります。

 

そういう時に、どうしたら主体的に周囲を巻き込めるのか。。。。

 

一つには発案者が周囲の人に面白いと思わせることが必要でしょう。

 

その次に、マネージャーが周囲の人の活動環境を整えてあげること。

そして、適切にフォローアップしてあげることが大切なのだと思います。

 

最後の1つは、微妙なバランスが要求されるように思います。

手を出しすぎてもいけないし、出さなさ過ぎてもダメ。

適切にフォローアップするには、常に情報が発案者にフィードバックされるように、仕向けておく必要があります。

 

どうも、最後の一つが、私はまだイマイチなように思います。

自分に余裕がないということの裏返しとも言えますが。

 

今は、まだまだいろいろな人に助けていただきながら、自転車操業的にマネジメントしている状態です。

 

研究室、私が監督している学生団体、家族、友人・・・すべてが勉強の場です。

exp

いろいろと日々感じることがあっても、思うように、なかなか筆が進んでいません。

なんでだろうなと考えると、一因として、以前よりも深く考えられるようになってきたことが考えられます。その分、自分の考えをどのように整理して、人に伝えるよう書き記すかということに時間を取られ、苦戦しているように感じます。

思ったことをしっかり整理して書くのも、もちろん大切ですが、日々のちょっとした出来事を気軽に書くのも、このブログの目的からしてもしても大切です。

言い訳しないようにします(苦笑)

 

とりあえず、昨日の出来事(忘年会の様子と自分のスピーチの概略)を書き留めておこうと思います。

 

昨日は、研究室の忘年会でした。研究室のこうした公式の懇親会では

必ず全員がショートスピーチをしています。

時期も時期なので今年の反省と来年への抱負を語るわけですが、

M2やB4は、進捗は人それぞれにしても研究の繁忙期を迎えています。

スピーチも当然研究の話題が多く、肉体的にも精神的にも不安に陥りながら、

なんとかやり遂げたいという気持ちを伝えるスピーチが多かったように思います。

留学生は、人にもよりますが、研究に多少の不安を抱きつつも、人生をかけて日本に来ている人たちですので、どこか楽しんでいるような印象は受けました。

M1はB4の時のような追い込まれた状況にはないので、研究面で反省を口にしている学生もいました。

ただ、学年が一つ上がり、先輩という意識が芽生え始めたこと、研究室を支えるという役割から構成員としての意識が生まれたことなどから充実感もあり、これから迎える就活に研究に頑張りたいというスピーチが多かったように思います。

 

ここからはM2とB4へのメッセージを中心に書きます。

研究という行為は、誰も知らないこと、人類の新たな一歩を踏み出す行為なので、当初思っていた通りの解にたどり着かないこともあるかと思います。

そういう研究という行為を、研究の素人である学生が、教員に導かれながら自走して、今結果が出る前の、いちばん負荷の大きい重要な局面にいます。

 

そういう中で、どうしたら3月に達成感を味わうことができるのか。

 

研究という行為を通して、学生は指数関数的(exponential)に自分の成長が感じられると経験的に思いますし、それは多くの人が言っています。

そして、彼らがいう研究での達成感を味わうことができるのは、端的に言うと

「自分に言い訳しなかった人」

だと私は思います。

 

これ以上ないというぐらい考え抜き、勉強し、いろいろなことに(実験条件もそうだし、同じように頑張っている仲間にも)配慮し、教員に叱咤されても粘り強く食らいついていく。

その結果出てきた、答えは研究としてのお宝になるはずです。

そして、何よりこの経験が自分の将来への財産になるはずです。

 

そのためにも、我々教員は必死に環境を整備するし、最大限その環境を活用するよう意識してもらえればと思います。

教員として大切なこと

今日はうちの妻にとって非常に貴重な一日になったようです。

改めて私も、妻から刺激を受けています。

 

「全国私立大学附属・併設 中学校・高等学校 教育研究集会(通称:附属校サミット)」が今年は妻の学校で開催されることになりました。

 

その研究集会の中の公開授業を妻が担当することになっていました。

学校を代表して、全国の私学の先生方を前に公開授業をやるということで、

さすがにプレッシャーを感じていたようです。

ここ1週間はきつそうでしたが、無事終えることができたようで何よりです。

授業後の懇親会の席では、いろいろな先生方からお褒めの言葉をいただけたようで、

私も自分のことのように嬉しくなりました。

帰り道、妻と慰労会(という名の単なる外食)をしましたが、

いろいろ刺激を受けたようで、今後は学外の研究会などにも積極的に参加したいようです(笑)

 

妻から今日の公開授業の様子(当事者の学生さんや周囲の同僚の先生のこと)を聞いていて、改めてすごい人だなぁと感心しました。

学校を代表して公開授業をして、お褒めの言葉をいただいたことが、すごいのではありません。

今日の公開授業を成し遂げることができた理由、それは妻個人に秀でた能力があるからではなく、

「学生さんたちをどうにかして成長させたい」と思い、学生さんたちと真剣に相対する日々の積み重ねが、

学生さんたちや周囲の同僚の先生たちに伝わり、妻への強い信頼につながったからなんだろうなと思ったからです。

 

最高のパートナーであり、ライバルです(笑)

映像教材

先日、JCI創立50周年記念DVD(日英二ヶ国語版)DVDを取り寄せました。

今、私が所属しているJCI若手会で映像教材を作ろうと動いており、その一環で紹介され、興味を持ったのがきっかけでした。

本日は、その中の「コンクリート技術の最前線'15」の英語版を見ました。留学生もいたので。

 

非常に面白いDVDでした。35分という時間は、お昼ご飯を食べながら見られるので、ちょうどよい時間です。

最新の技術もいろいろと盛り込まれており、教員が見ても面白いと思える内容でした。

イデアもいくつか出てきました。

無料でJCIからいただけるので、特に大学関係者は1セット持っていてよいかなと思いました。

 

我々の研究室では、映像教材をなかなかうまく活用できていません。

理由は複数あるように思います。

適切に活用していく機会を、設けていきたいなと思いました。

最近研究で思うこと

自分が主体的にかかわっている研究に関する、最近の自己分析。

 

ひと昔前に比べ、あまりにも、おかしな検討をすることは、少なくなってきたのかなと思います。

学生とのディスカッション、助けてくれる周囲の人たちと議論を重ねることで、少しずつ研究遂行能力が養われてきたのかなと思います。

ただ、まだまだ配慮不足な事柄が散見されるので、引き続き実力をつける努力をする必要はあります。

 

そういう状況の中で、特に最近、難しいなぁと感じるのは、

明らかにしたい事柄に対して、「この実験で、どこまで明らかにするか」という線引きです。

当然、実験・解析の実施回数や条件は有限なので、優先順位やそのときおかれている状況と相談して、試験メニューを決めていきます。

 

そのあたりの力加減というか、戦略が足りない気がする。

 

非常に抽象的な書き方になってしまいましたが、自分自身をあとで振り返るメモのようなものなので、お許しください。

祝 ISL1周年

早いもので10月16日でISL(International Students Lounge)が開室1周年を迎えました。

 

理工系留学生の支援を主目的に掲げた学生中心の支援組織。

決して順風満帆ではありませんが、少しずつその効果は、随所に見られているのかなと思っています。

 

最重要と考えている平日のお昼休みを使った支援・交流の時間は、週3回からスタートしましたが、学生の要望で現在は週4回に回数が増えました。利用頻度に波があるようですが、組織の存在はだいぶ留学生に認知されたように思います。

 

不定期ではありますが、イベントものも開催しました。welcome party、理工系シンポジウムの開催、横浜湾花火クルージングの開催、夏休みの旅行先の紹介などがありました。予想通りうまくいったもの、あまりうまくいかなったもの。いろいろでした。それには必ず理由があり、次に反映させるべく、これから1年のイベントに生かしていく予定です。

 

こういう活動に理解のある学生さんは、向上心のある学生が多いので、ISL以外にも、いろいろなことに取り組んでいるため、概して多忙です。

限られた時間の中でも、組織が常に改善され、前進していくように試行錯誤しながら

学生主体で活動してくれています。

学生スタッフは全員、広報部、イベント部、管理部のいずれかに所属し、部局ごとに目標を掲げ、お昼休みの活動とは別に、連絡を取りながら活動してくれています。

隔週で学生スタッフ全員でのミーティングを設け、日々の活動の状況報告を行い、

週一回の幹部(私と室長、副室長)ミーティングで、全体の方向性を確認し、

学期末のミーティングで、当該学期の反省&次学期への準備をしています。

 

 

学生スタッフの数も着実に増えてきました。

理工系全4学部、大学院から幅広く参加してくれています。はるばる文系の学部からも学生がスタッフとして参加してくれています。

留学生のスタッフも出てきて、これもうれしい。

 

とはいえ課題もまだまだあります。

理工系留学生と一口に言っても、様々なバックグランドで留学している人がいます。当然、おかれている状況はバラバラ。日本語で困っている人、経済的に困っている人、人間関係がうまく構築できなくて困っている人、研究のプレッシャーで精神的に参っている人・・・。

大学院生の留学生も多く、ISLの利用者は、学生スタッフよりも総じて年齢層が高めです。留学は母国での自分のキャリアに直結するため、相当な覚悟で留学してきている学生が多いのも事実です。家族持ちの留学生もいたり、日本語がほとんどしゃべれなかったりで、そもそも普通に大学に入ってきて、普通に生活している学生には理解しにくい状況にあります。当然求められる物のハードルも高いでしょう。

 

理工系留学生のニーズ、置かれている状況をしっかりと分析し、留学生にはこうあってほしい、自分たちはこうありたいという組織としての信念もしっかりもって、活動を続けていきたいと思います。

近々では、全学留学生へのヒアリング(アンケート調査)、日本語のサポートの充実化、ISLのラウンジ化(喫茶化)計画などが予定されています。

 

1年たってみて、私だけでも、学生だけでもこの活動は実行・継続できないことを強く感じています。

中村先生(副学長)の強力なバックアップ。土木棟の教職員の方々のご理解、ご協力。

国際戦略推進機構の先生方、教育人間科学部の先生方のご協力。

学外では、ロータリークラブやボランティアの人たちの存在も大きいです。

 

 

人とのつながりで、自分の能力の何倍も良い仕事ができるようになります。

そのほうが楽しいし、決して一方通行の依存の関係ではないので、皆にとってハッピーなので自然と人が集まるようになります。

ISLは、その名の通り、国籍問わずその場の人にいる人たち(学生)が個々を認め尊重しあい、成長しあう場(きっかけ)になってほしいなと願っています。

これからも、困難は待ち受けているでしょうが、方向性は間違っていないと新ためて感じることができたので、学生スタッフの彼らと、悪戦苦闘しながら楽しく活動を続けていきたいなと思います。

ぜひ、お近くにお寄りの際は、顔を出してみてください!

 

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