Take it easy 第四章 ~研究・教育人生:序論~

憧れだった大学教員として歩み始めました。研究者・教育者として、己の在り方を日々模索しながら、向上心をもって過ごそうと思います。

怒涛の2月終了(教員5年目始動)

怒涛の2月が終わりました。いよいよ教員5年目がスタートです。

(先月間違って書いてしましましたが、本日が本当に5年目スタートです)

 

昨年も同じようなことを思ったのですが、1年前に今の自分の状況を想像できたかと聞かれると、返事はNoです。

それくらい、いろいろなことが目まぐるしく変化しています。

私個人、家族、仕事すべてです。

不安がないと言ったら嘘になりますが、変化に対応して今があるとポジティブにとらえたいと思います。

 

卒論審査会(2/27)が終わった直後なので、研究(特に卒論指導)に関して思い返してみたいと思います。

 

研究は分からないことにチャレンジしていく、不確定要素の多い仕事です。

そのなかで、毎年、個性の違う学生とうまく対話しながら研究を進める必要があります。

彼らを励まし、叱咤し、周囲の助けを借りたり。。。

いろいろありましたが、研究指導に関しての自己評価(学生ではありません)は及第点かなと思います。

それなりに確固たる自信も得つつ、課題も感じているといった感じです。

 

近々の課題はの1つは留学生の指導。彼の指導はあと半年ほど残っています。

彼とのチャレンジには、これまでとは違う、いろいろな意味が含まれています。

 

もう1つは、絶対的にインプットが足りていない。

これは抜本的に状況(自分の姿勢や研究スタイル)を変える努力をしないとダメ。

 

また1年後、今の自分では想像できないような展開になるよう、

こうしてメモを残し、自分自身を戒めて、新年度を迎える準備をしたいと思います。

実験の質

昔からよく言われていたことで、最近その意味が少しずつですが理解できるようになってきたことを、今の私の言葉でまとめてみます。

 

「コンクリートは正直な材料。コンクリート特有の現象も人間の至らなさも、すべて結果に表れる」

 

コンクリートは誰でも比較的簡単に作れる材料です。だからコンクリートをつくる人の力量不足も多分に結果に反映されやすい材料です。

そういう意味で、学生に実験をまかせっきりというのは極めて危険と言えます。

 

ある人は「学生は一切信用していない。試験体づくりは教員が主導して、学生はその補助をさせる」と言っていました。

ある人は「実験結果を見て、自分の感覚と違っていたら、試験体がきれいかどうかを見る」と言っていました。

やり方はいろいろあるかと思いますが、どこかで試験体の質を担保しないといけません。

 

「コンクリートのことが分からないのは、コンクリートの声を聞けていないから」

 

昨日、共同研究先まで学生の試験体をトラックで運び(片道3時間!)、その場で試験体をカットをしました。

ところが、カットし始めて早々異変に気付き、実験ストップ!実験を延期させました。

実験を始める前の段階で想定外のことが起こったので、見方によっては失敗ですが、これもコンクリートの正直な反応です。

コンクリートの声に耳を傾け、正確な(と思われる)ジャッジを下すのは学生ではなかなか難しい。

教員の大事な役割です。

 

 

偉そうなことを書いていますが、これら実験の質を十分保てているかと問われると、

胸を張ってYESといえる状況では残念ながらありません。

研究を続ける限り、状況に応じて、実験の質を確保する努力をしづづけなければいけないと思っています。

大学時代にしてほしいこと

とある学生から、

「どうしたよいかわからない。何ができるのか教えてほしい」という要望を受ける機会がありました。

 

私が彼にした回答を備忘録として書き留めておきたいと思います。

(話している相手が特定されないよう、少し文章を修正しました)

私の周囲では、なるべくいろいろな場面で、以下のようなシチュエーションを構築していきたいと思っています。

 

何ができるかと手段から入るのではなく、何をするのか(したいのか)、構成員と議論し、行動することに意味があると思います(頭でっかちでもダメで)。その積み重ねで、自然と組織全体が良くなっていくと思っています。

考えなしに言われたことに従う思考停止が一番良くない。そのような人は、将来コンピューターに仕事を奪われる。バイトと一緒と思います。横浜国大生くらい基礎能力がある人が、それは悲しいです。あえて目標を漠然と定めている意味はそこにあります。

極論をいうと、精一杯やった結果失敗してもよいと思っています。なぜなら、それは失敗ではなく成功だからです。当然ですが、やり抜かずに失敗したら、労力に対して得られるものは少なくなります。

とはいえ、学生だけだと視野が狭くなってしまうのはわかるので、目標を達成するための手段を提案し、準備するのは私のような教員の役目と思っています。

指数関数的に学生が成長する2月がスタート!

気がづいたら2月になっていました。

 

気持の浮き沈みの激しかった1月でしたが、

繁忙期ながら、今週の仕事はすごく充実していたので、やる気がまた満ちてきました。

やっぱりこの仕事が好きだなぁ。

 

火曜日と木曜日はそれぞれ卒論生の研究を一緒にしている企業の方たちと

ミーティング&実験でした。

どちらも大学までわざわざ出向いていただきました。

すごく興味を持って聞いてくださっているのが伝わってきました。

 

学生が企業の研究者(技術者)に直接指導されているというのは

すごく良いことだなと改めて思いました。

私も学生時代に企業に1か月ほど住み込みで実験をしましたが、

あのときの経験(当時は泣きたいほど辛かった。。。)はすごく今に生きています。

夜の懇親会も私の好きなお店にお連れしました。

(連日飲んでいたので、毎晩酒臭いと妻に嫌がられましたが 苦笑)

 

水曜日は職場の上司であり恩師の椿先生の最終講義でした。

椿先生のご意向を私なりに最大限くみ取り、いろいろと考えて事前準備から当日の運営をさせていただいたつもりです。

(会の流れ、席の配置、贈呈品、写真撮影、ランチメニュー、スピーチ依頼 等々)

なかなかできない経験ですので、非常に私自身、勉強させてもらうことができました。

 

実は私も最終講義に参加するのは初めてでした。

いわゆる一般的な最終講義(退職される先生の研究や経験談等を話される)と違い、

椿先生のご希望で、通常の講義(今回は学部二年生向けの講義でした)の最終回(15回目)を、最終講義とされました。

14回の講義内容の総復習、講義内容とも関係する先生の過去のご研究、先生が影響を受けた言葉、好きな構造物の写真などを話されました。

 

現役生、卒業生、現役の教職員、それぞれにいろいろなメリットが

たくさん組み込まれた素敵な最終講義であったと感じました。

まだまだ先のことなのでどうなっているか分かりまんが、

私がもしこのような機会に恵まれたら、同じようにしたいなと本気で思いました。

 

 

金曜日(今日)は卒論生の実験に一日付き合いました。

屋内とはいえ、気温は外とほぼ同じ(雪が降っていました)なので、寒かった。

最近なかなか実験棟に行けていないことのデメリット

(教育効果、研究成果、安全管理等々)をいろいろと感じていたところでした。

 

実験をやってみると、すごく楽しい1日でした。

学生が頑張って造った試験体を計測する大事な日です。

これまでの多くの努力を無駄にしないよう、多少口うるさかったと思いますが

細かく厳しく指導をしました。

でも、ちゃんと実験をやり、しっかり観察すると面白い結果がでますね。

そう感じてくれていたら何よりです。

そして、現場でしか判断できないことや現場にいないとわからないことも多いなと思いました。

 

いろいろと苦しい思いをしてきた学生ほど、急激に成長するのは、決まって毎年この2月です。

2月27日の卒論審査後の打ち上げで、学生も私も思いっきり楽しめるように、

悔いのない2月を過ごしたいと思います。

防災 ~考えることは楽しい~

先日(1月5日)、緊急地震速報が携帯電話に入ったときは、正直焦りました。

久しぶりに、あのけたたましい警報音を聞いて、「ついにこの日が来たか!」と思いました。

幸いにも誤作動ということでしたが、改めて災害はいつも我々の身近にあるということを認識させられました。

 

 

最近、関東地方で地震の発生回数が急増しているように感じたことから、

この連休で久しぶりに我が家の防災グッズを見直すことにしました。

災害時に持って逃げる必要があると思われる物品や貴重品類を改めて確認、整理しました。

被災時の行動を頭でシミュレーションして、妻と相談のうえ、これらの配置場所を決めました。

不足しているものは、その場でネット注文し、配達を依頼しました。 

 

 

また、以前から備蓄している食料品や水などの一部は賞味期限が切れていたり、

賞味期限間近なものがありました。

 

 

そのままでも美味しそうな備蓄食品は開封して、食しました。

カンパンなど、そのままだと味気ないものは、インターネットで調理方法を検索し、調理して食しました。

 

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(自作の乾パンを使ったビスコッティ。ナッツやチョコチップなども入っています。手前味噌ですが、美味でした。)

 

 

誰しも好きではないし、できれば避けて通りたい災害。

でも、災害について少し「考える」ことができると、案外楽しいものだなと思いました。

私の場合、家族の会話が増え、レシピが増え、家の中が整理されました。

将来、来るべき時に危機的状況を回避できることになるかもしれません。

 

 

自転車に例えると良いかなと、書きながら思いましたが、

「考える」ことは「負荷」かもしれませんが、「考える」ことで人は「前進(進歩)」できるようになります。

 

 

考えることが習慣化していない人は低速ギア(低い負荷)でも息切れしてしまいますが、

考えることに慣れてくると適切な負荷をかけないと、思ったように前進しなくて物足りなくなります。

そのころになると、低速ギアが辛かったなんて嘘みたいに感じるようになると思います。

 

 

いろいろなことで、考えることを楽しめるような習慣をつけたいものです。

2017年の振り返り

年が明けて3日が過ぎました。

喪中ということで、例年と少し感覚の違った(新年っぽくない)新年を迎えました。

 

 

今年も実家で書初めをしました。私が書いた字は「初心」です。

少しずつ波に乗ってきたかなと思うときこそ初心を大切に。

チャレンジングに攻めることが大切だと思っています。

 

 

遅ればせながら、昨年の振り返りを備忘録的に書き留めたいと思います。

ここに書ききれてない、たくさんのことを経験させてもらいました。

この場を借りて、昨年お世話になった皆様に感謝申し上げます。

 

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【研究】

2017年の最初は、修論生・卒論生の指導に尽力しました。

学生たちが頑張ったおかげで、それなりの結果も出てきました。

最終的に成果を論文にまとめることができたことのは、

私自身の一つの自信にもつながったかなと思っています(執筆中もあります)。

 

年度が替わり、前川先生が研究室に着任されました。

研究室の学生、教員それぞれに非常に大きな影響があったように思います。

(知識やスキルだけではなく、研究・教育に臨む姿勢、先生の哲学なども大変勉強になっています)

今年も吸収できることは吸収していきたいと思います。

 

後期からは、留学生の指導(修士)も始まりました。

博士課程の学生への指導も始まりました。これは、私にとってのチャレンジ。

成長のきっかけとなりそうです。

 

 

【社会貢献活動・委員会活動】

関わりの少なかった方から声をかけていただくことが増え、活動の場がグンと広がりました。

委員会の代表、幹事を経験させていただきました。

業界紙の記事を定期的に執筆させていただく機会も得ました。

学会の会長タスクフォースでパネラーとして登壇させていただいたのも非常に大きな経験となりました。

 

 

【共同研究】

単独で企業と共同研究契約を結ぶことができました。

また、分野横断型の研究に参画する機会もいただき、研究が始まりました。

念願だった自治体との研究も始まりそうなので、微力ながら地域貢献ができそうで楽しみです。

 

 

【教育】

<土木>

土木教室の見学会も随分と幅が広がってきました。

卒業生の方に支援していただく見学会だけでなく、業界に支援していただく見学会も実施できました。

学生主体の活動(見学会・学園祭)にも少しは貢献できたかなと思っています。

年々増える留学に対するフォローとして、留学生の見学会も企画して参加できました。

維持管理のシンポジウムを学内で企画・開催できたのもよかった。

 

<全学・国際>

学内の学生たち(文理問わず)との協力関係が一層強くなった1年だったように思います。

今年は学生主体で国際イベントを計画中です。この企画がどんなふうに化けていくか、楽しみです。

 

理工系留学生支援組織の場は日常的に留学生に活用されるようになってきました。

上記組織から初めて日本人学生が留学することになりました。

私の学生時代の留学先に興味を持っている学生もいます。

少しでも彼らの後押しができればと思っています。

 

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追記:

2017年の暮れで、妻と付き合い始めて10年が経ちました。

付き合い始めるきっかけとなった場所に二人で訪れ、「一緒にしたいこと100」という本をプレゼント。

実はまだ半分くらいしか埋められていないのですが(苦笑)、

たまに見返して一つずつ達成していきたいと思います。

 

私にとって、すべての活動の原動力は、健康そして家族です。

健康と家族を大切に2018年も精進していきたいと思います。

横浜国大土木教室 若手研究者懇親会

昨日、仕事納めとなりました。

留学生、日本人学生と年始に投稿する論文の内容について議論をして、仕事納めとなりました。

 

今年は、いろいろ刺激的な1年でした。

振り返りは、また後日ということで、今日は今年最後の懇親会となった

「(仮題)横浜国大土木教室若手研究者懇親会」について書こうと思います。

 

紆余曲折を経て、「横浜国大土木教室若手研究者懇親会」が開催されました。

現役の博士課程の学生+次年度以降に博士課程に進む予定の学生+研究職に興味のある学生という構成です。

専門分野は地盤、交通、コンクリートとバラバラです。

 

私は(教員としてではなく)横浜国大土木教室の博士号取得者の一人(先輩)として、参加させてもらいました。

教員ではないという位置づけなので私服です(苦笑)

私に対する呼び方も、「先生」ではなく「さん」にしてもらいました(苦笑)

 

話の内容は多岐にわたりました。夢を語り、悩みを語りました。

話を聞いていて、私がよいなと思ったのが、それぞれに個性があり、互いを尊敬しあっていることでした。

心の底から楽しい飲み会でした。(こんな飲み会は久しぶりです) 

 

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よく考えると、私が修士課程の時に似たような飲み会があったなと記憶しています。

若手教員(数名)+博士課程学生(1人)+研究職志望者(私含め数名)でした。

  

 

当時と比べると、研究職に進む学生というのが激増しました。

本学で博士課程に進学する学生、他大学で博士課程に進学する学生、企業の研究所に就職する学生を合わせると、毎年、誰かは研究者となっているのではないでしょうか。

 

 

私は決して、博士課程に進学する学生が増えてほしいと言っているわけではありません。

(博士課程に進むというのは棘の道です。言うほど優しくはありません)

 

 

私が嬉しいのは、母校に教員として残り、やりたかったこと

「自分が好きなこと、信じた道を周囲に惑わされず、思いっきりできる環境をつくる」

が周囲で少しずつ形になってきていることです。

そのことに私が少しでも貢献できているとすれば、そんなに嬉しいことはありません。

 

 

【この場で書けていませんでしたが、私が顧問をしている理工系留学生サポート団体(ISL)から、(土木ではない)理工系の学生で留学する学生が初めて排出されることになりました】

 

私にできることは、学生たち(後輩たち)に行動で示し続けることだと思っています。

そのために、私はつぶれるわけにはいかないし、積極的に歩み続ける必要があると考えています。