Take it easy 第四章 ~研究・教育人生:序論~

憧れだった大学教員として歩み始めました。研究者・教育者として、己の在り方を日々模索しながら、向上心をもって過ごそうと思います。

自治体職員研修

今回で3回目になる自治体の職員研修に、講師として参加させていただきました。

3日間、座学(コンクリートの基本・劣化・補修補強)と演習(劣化診断)を担当させていただくことになりました。

 

今年は内容を大きく改善し、独自色を出すべく入念に準備を重ねて臨みました。

 

受講生の状況も例年同様、バラバラでした。

日常的に仕事でコンクリートに関する業務に携わっている方もいれば、そうでない人もいました。

コンクリートの知識や経験をそれなりに有している人もいれば、そうでない人もいました。

学生たちとも、また状況が違います。ただ、どんな状況でも受講生を満足させる必要があります。

 

意識したこと(講習の目的に掲げたこと)は、

・コンクリートに興味を持ってもらうこと

・勉強するきっかけとなる情報提供に努めること

・コミュニケーションの大切さを実感してもらうこと

としました。

 

講義の特徴としては、

・グループワーク(演習等)を多めに取り入れ、私と受講生、受講生同士がコミュニケーションをすることで、いろいろな意見や視点があることを感じてもらう形式とする。

・コンクリート小話(歴史的なことから最新のことまで)を都度はさむ。

・課題レポートは自由書式として、毎回コメントを付けて返す。次回の講義の最初には、気になったレポートを紹介する。

などでしょうか。

 

最終回のレポートを見ていて、概ね皆さん満足してくれていたようです。

「コンクリートを好きになった」

「身の回りのコンクリート構造物に、日頃から目が向くようになった」

「議論することの面白さ、大切さが身に染みて分かった」

等という声が非常に多く、大変うれしい感想でした。

 

いつものことながら、研修の講師を務めさせていただくことで、私自身がまた鍛えられ、成長させてもらいました。

よりよい講義ができるように、もっと自分自身がレベルアップしていきたいなと思います。

あれから5年

博士号の学位取得が、ちょうど5年前の今日でした。

facebookのリマインドで気づきました)

クリスマスイブに学位授与式があったんですね。

 

 

 

博士号を取得してから5年間、研究を振り返ってみると、

序盤の2年くらいは非常に悩み苦しんだ期間だったように思います。

結果的に、指導学生にも非常に迷惑をかけてしまいました。

上司からも叱咤され、研究者としてやっていけるという自信がまったく持てない時期でもありました。

 

 

 

中盤頃(3年目くらい)から、少しずつまともな指導ができ始めてきたように感じます。

きっかけは「小さな成功体験」の積み重ねだったように記憶しています。

(意図的にというよりは偶然もあったように思います)

研究の立ち上げ気であったこと、私の力不足であったことなどで、学生といっしょに試行錯誤していた感覚です。

その分、学生は鍛えられ、ぐっと成長してくれたという感覚です。

 

 

 

終盤(最近)の研究では、自分が思い描くように研究が進められるようになってきました。

また、「私と学生の研究」ではなく、「学内外の研究者と連携した実構造物を対象とした研究」ができるようになってきました。

その分、学生への指導(教育)に対して、自分の中で少し不満が残るようになってきました。

 

 

卒論・修論は指数関数的に達成度が増していくという話をしますが、

私の5年間も、これもやはり指数関数的だったように思います。

 

 

 

というように、がむしゃらに走ってきた、あっという間の5年間でした。

 

 

今後への課題も思うところはあるのですが、それはまた別の機会に。

実橋での実験

すっかりブログの更新が滞ってしまいました。

 

後期に入り、随分と私のわがままを研究室全体に押し通してしまっています。

非常に心苦しいのですが、寛容に見守ってくださっている上司の先生方、

協力してくれている研究室の学生の皆さんに感謝です。

 

さて、先日、約1年の準備期間を経て、学内の実橋のジョイント部で衝撃載荷の実験を行うことができました。

 

特に、この1か月は大変でした。

 

・舗装の除去

・ゲージ類を床版上や舗装内に埋設

 ・桁にゲージを設置

・段差部における衝撃力の計測(加速度計の利用)

・実橋における衝撃力の載荷実験

 

最後の実験の日は、約30時間、不眠不休でした。。。

 

土木(に限らず仕事)は段取りが大事だと言われますが、私にとっても初めての規模、初めての内容の実験で、勉強になりました。

いくら入念に段取りを行ったと思っていても、不測の事態というのも発生します。

とはいえ、その場その場で判断し、最善を尽くすというジャッジメントはできたのかなとは思います。

 

大掛かりな実験ですので、当然、私と学生だけで出来ることは限られています。

私の考えに賛同してくださった、複数の企業の方に協力していただきました。

感謝しかありません。 

 

これで終わりではなく、この計測結果を数値シミュレーションに落とし込む必要があります。

担当学生も、自分の研究に対して多くの人がかかわっていることが分かっているようで、非常にやる気になってくれています。

簡単ではないでしょうが、学生と一緒に、粘り強く、研究を進めたいと思います。

大学教員⇔研究者

教員5年目で、一つの集大成を迎えると思っている今年度は、

とにかく今の私の持てる力(能力と能力以上の人脈)をすべてつぎ込んで

研究をしている。(過去手を抜いているというわけではない)

その分、学生に研究の方向性や課題を与えすぎた教育になっていないか、少し気になっている。

私自身が年齢を経てきて、力をつけていることで学生との差が開き始めたこともあるかとは思うが。。。。

 

学生からしたら、やることや方向性が与えられた方が研究を進めるうえでは楽だと思う。

でも、それは私が目指す教育ではない。

 

論文も同様。私は、できるだけ学生に論文を書いてもらおうと思っている。

論文を書くまで(成果をまとめるまで)が研究だという指導をしている。

まとめるという過程で大きく力をつけるということを知っているからだ。

 

学生から、研究成果をまとめる機会を奪ってしまうのは、私はやりたくない。

でも、私自身が成果(論文)を残さないといけない立場であるというジレンマもある。

 

一口に大学と言っても、世の中にはいろいろな大学がある。

何が正解かなんてわからない。

 

私が大学で仕事をしている理由。それは私を大きく変え、育ててくれた大学という場に感謝しているから。

大学の教員として働く限りには、何が何でも「学生のために」を第一としたいと強く思う。

 

 一つ、書いておかなければいけないのは、

決して学生を非難しているということではないということ。

これは私自身の問題である。

 

書き進めていくうちに、だんだん私の勝手な思い上がりなのかもしれないとも思ったりする。

ただ、すこし悩んでいることなので、包み隠さず備忘録として書き留めようと思う。

ACF(Asia Concrete Federation)

初めてACF(Asia Concrete Federation)の国際会議に参加してきました。

今回の場所は、中国福州市でした。

 

福州市は多くの川が流れ込む、橋が非常に都市でした。

高層マンションの建設が進んでおり、中国の勢いを感じました。

良いか悪いかは人それぞれ意見が違うかと思いますが、

多くの日本人に今の中国の現状(人もインフラも)を見てみらいたいと改めて強く感じました。

 

 

日曜日に、市内観光をしていたところ、

わざと(?)ツタをからめたコンクリート橋を発見しました。

これって、コンクリートにとってどうなの??

 

f:id:satochan0701:20181104141612j:plain

 

 

今回は、学生の発表が3件(内2件は連名)でした。私は1セッションの座長をしました。

 

同じセッションで座長をした方(モンゴル人助成助成)が、前川先生の指導学生ということで、非常に盛り上がりました。

世界中のいろいろな場所で活躍されているんだなぁと実感。

 

会議中、いくつか基調講演がありました。

正直すごいと思うような講演は少なかったです。

YNUに来ている留学生も同様なことを感じているようでした。

 

私は何も成し遂げていないので、偉そうなことを言える立場ではありませんが、

総じて、日本のコンクリートの研究は諸外国よりも進んでいるように思います。

ただ、それを適切情報発信できていないことが問題のように感じます。

 

私自身、海外の研究者と対等に交流していきたいという思いは強いので、

自身の将来的な課題の一つにしたいと思います。

 

 

オランダ(デルフト)留学時代の仲間(アジア人)も数人いて、プチ同窓会のようでした。

タイ人のルームメートはタイの大手セメント会社で研究者として働いていることが分かりました。

また、当時の指導教員(オランダ人)はRILEM(国際材料構造試験研究機関・専門家連合)の名誉会長として、今回の国際会議によばれていました。

  

来年に国際会議で横浜に来ることが分かったので、その前後にYNUでワークショップを開催することにしました。今からすごく楽しみです。

 

f:id:satochan0701:20181112104210j:plain

バンクエットで、YNUの学生たち、私、留学時代の指導教員で写真を撮りました。

10年の時の流れを感じました。(ただ。。。私が一番小さい。。。)

 

10年前、こんな写真が撮れる日が来るとは思っていませんでした。

 

(自分自身や周囲の)制約条件に文句を言うのではなく、周りに助けてもらいながら、向かいたい方向に向かって歩みを止めないことが大切なのだと思います。

その繰り返しで、きっと己の理想像にたどり着けるのだろうと思います。

今までもそうだったように、これからも。

 

定性的な実験

先週一週間、共同研究先の企業に缶詰で、学生と一緒に実験に没頭しました。

元々、日帰りのはずが、なかなか実験がうまくいかず、ホテルに泊まったり、

帰宅しても12時を回るなんてことを繰り返しました。。。

 

内容はコンクリートと地盤の連成実験です。

最近は、こういう類の研究(コンクリートと何かの力学的な連成問題)が好きです。

 

今回はあえて「定性的な実験」に注力しました。

(変形も一応測っていますが、主目的ではありません)

 

我々の研究分野の有名な研究で「後藤クラック」というひび割れがあります。

後藤先生が発見したコンクリート内部に発生するひび割れです。

 

後藤先生は、種々の工夫をしてコンクリート内部に入る(外からは見れない)ひび割れを可視化して、それをスケッチで描きました。

 

この結果は、いろいろな研究者に衝撃を与え、その後の研究の発展に大きく貢献しました。

 

前川先生とのディスカッションの中で、

「若い頃は定性的な研究に何の意味があるのかと思っていた」

というお話がありました。

しかし、「現象を観察し、スケッチするという行為によって客観から主観に変わり、論文になる」ということを教えていただきました。

当然、人が変われば見方が変わる。違う意見が出る。立派な論文です。

目から鱗でした。

 

現象を明らかにするため、周到に準備をし、当日に臨みましたが、

やはり想定通りにはなかなか行きませんでした。

ただ、学生たちは、そういう局面での私の行動を見て、いろいろと感じてくれたことが多かったようです。(後日、そのような感想を言ってくれたのが嬉しかった)

 

後藤先生のような論文が書けるかは分かりませんが、

また一つ、大事なことを学ばせていただきましたので備忘録として書き留めました。

9月の振り返り

気が付けば、あっという間に新学期が始まっていました。

 

9月の締めくくりに、悲しいことが起こってしまいました。

おとといの大型台風の影響で土木構造実験棟前の桜の木が倒れてしまいました。

私の部屋は3Fということで、毎年4月上旬には満開の桜の花を窓から臨むことができました。

入学・卒業の季節とも重なり、いろいろ思い出の多い桜だっただけに非常に残念です。

 

f:id:satochan0701:20181002085228j:plain

昨日の様子

 

f:id:satochan0701:20181002085254j:plain

2017年4月の夜桜

f:id:satochan0701:20181002085311j:plain

2018年4月の桜

 

話は変わりますが、毎年、9月は大学外にいることが多い月です。

今年も、いろいろな経験をさせてもらいました。

 

 

・若手会21の活動報告

 

代表になって1年半。一つの山を乗り越えました。

コンクリートの試験方法に関する映像資料の撮影を、八洋コンサルタントで行ってきました。

プロの撮影業者に協力を依頼し、本番に臨みました。

八洋コンサルタントの高い技術力+過去の予備試験のおかげで非常によい映像が撮れたように思います。

年度終わりか次年度始めに学会から映像資料が配信される予定です。乞うご期待。

f:id:satochan0701:20181002085941j:plain

複数の民間・研究機関から20人以上の人が集まっての大撮影会!皆さんの協力に感謝!

 

・初の外国人指導学生の卒業

 

私の中では、一つの大きな挑戦でもあった、初の外国人指導学生が無事に学位(修士号)を取得し、卒業しました。

言語・文化や習慣・ご家族の状態など、これまでの日本人指導学生とはまた違った難しさもありました。

正直100%の達成感とまでは行きませんでしたが、学生も私からいろいろと得るものがあったようなので、その点ではよかったかなと思います。

すでに帰国されましたが、ASCE(アメリカの土木学会)に論文を投稿すべく、メールベースですが研究の仕上げの指導を行っていく予定です。

f:id:satochan0701:20181002090754j:plain

 

・載荷実験

今年は、私の中で集大成の年だと思って行動しています。

持てる力をすべてつぎ込んで、研究に当たっているので、私が指導している日本人学生は相当大変だと思います。

少なくとも、私が彼らと同じ学生だった時より、はるかに大変なことを課しています。

 

その一つとして、夏に(予備)実験をすることができました。

3層の重ね梁の載荷実験を行いました。複数の企業の方にもご協力いただいた実験です。

想定外の結果も起こりましたが、非常に楽しい実験でした。

後期は、実構造物での実験・研究が計画されています。

学生にはさらに頑張ってもらいたいと思います。

f:id:satochan0701:20181002091107j:plain

 

・見学会

日本人学生が主体的に実施してくれた新潟見学会、留学生を中心に引率した黒部ダム立山砂防を中心とした見学会。

どちらも、充実した見学会になりました。(種々の理由で写真は掲載不可)

特に、夏休み期間の見学会は宿泊込みなので、学生一人一人とゆっくり話せるというのが魅力です。

相手がどんな人間か。どんなことを考えているのか。どんなことで悩んでいるのか。。。

若い学生さんとの会話は私自身の刺激にもなります。コミュニケーションが大事です。

 

・その他

習いごとのダンスをしていて、腰痛が再発しました。(前回は博士課程後期の学生時代)

一時、仕事で座る椅子を背もたれのない、膝で座るタイプの椅子に変えて、様態が改善しました。

ただ、おそらく普段の姿勢が良くないかのでしょうね。(ダンスの先生にも姿勢を始動されることが多い)

妻の勧めで整体に通い始めました。身体にも気を付けながら、10月からの新学期を乗り切ろうと思います。