Take it easy 第四章 ~研究・教育人生:序論~

憧れだった大学教員として歩み始めました。研究者・教育者として、己の在り方を日々模索しながら、向上心をもって過ごそうと思います。

旅立ちの準備

いろいろと書きたいことがあったのですが、

公私にバタバタで、投稿が随分と滞ってしまいました。

 

本学での教員生活も最後の1か月となりました。

本来は、2月末で5年の任期満了のはずだったのですが、

引継ぎや次の職場に向けた準備のため、1か月、任期を延長してもらいました。

 

■ホームパーティー

3月3日に我が家で研究室ホームパーティーを開催しました。

過去最多26名(教職員、学生)の方に来ていただきました。

留学生は母国の料理もふるまってくれました。

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会の中盤に、私が指導させてもらった学生から、一人ずつスピーチがありました。

(M2が1名,M1が2名,B4が1名)

 

スピーチの内容を聞いていて、「学生は、本当によく私を見ているなぁ」と感じました。

私が想像していた以上に、彼らは私から、いろいろと学び取ってくれているということを知り、感激しました。

 

改めて教員という仕事の責任の重さ、やりがいを感じる時間となりました。

 

 

細田先生との会食

学生10年間、教員として5年間、お世話になった感謝の気持ちを込めて、

馬車道にあるお店に先生をご招待して、妻と3人でゆっくりと食事をしてきました。

 

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今の人生は、細田先生に出会って大きく変わりました。今の私は、細田先生なくしてあり得ません。

どんなに感謝しても仕切れません。

 

私が細田先生から受けた、この御恩は、生涯を通じて、私の周囲や後輩たちに返して行きたいと心に誓いました。

 

月の後半は送別会が続きますが、おそらく、細田先生とゆっくり話す機会はそうはないかと思います。

人生の思い出となるであろう一時でした。

 

■藤井先生との会食

我々夫婦が出会った場であり、

大学時代、私自身を大きく成長させてくれた場の一つを顧問してくださっている

藤井先生を囲んでの会食でした。

 

藤井先生から「留学生教育の重要性や意義深さ」を教えていただきました。

その過程の中から、私が教員となり、課題と思っていた、理工系の留学生支援組織を立ち上げることにもつながりました。

 

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私や妻の大学での活動を大変喜んでくださっていました。 

互いに同じ花屋の花をプレゼントしあうという、偶然もありました。

 

■退去

研究室のデスク周りの整理が終わり、ようやく家の退去も完了しました。

本日は、新居(千葉県松戸市)への荷物の積み込みも完了しました。

半月は、千葉から職場に通うことになります。

これが終わりではなく、前に進むための一区切りのだと考えてようと思います。

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何もなくなった我が家。

 

 

想い出のたくさん詰まった、居心地の良い場所を離れるのは、やはり寂しいです。

でも、居心地が良い場所では、己の成長が衰えるし、結果に周囲にとってもよくないことなのだと思います。 

新天地で、さらなる成長するべく、しっかりと準備したいと思います。

 

今のところ泣いていません。あと半月。頑張ります(笑)

卒論発表終了

さきほど、卒論発表会が終わりました。

 

今年は、2名の学生さんを実質指導し、1名の学生さんの実験計画を支援する(主たる指導教員ではない)という、過去最多の人数を指導させてもらいました。

 

今年は「私の持てる力(以上)で指導に当たる」という意気込みで、学生の指導にあたりました。

背景には、「今年度が私にとって横浜国大での教員活動の最後の年」という背景があります。

(知っている方も多いかと思いますが、一応、ブログでは初公開でしょうか)

 

従って、これまでにない、相当な負荷が指導学生にはかかっていたと思います。

 

私の過度な要求にも音を上げず、最後の最後まで、体力の限界まで、発表のブラシュアップを続けてくれたことに、唯々感謝です。

いろいろな経験を通して、学ぶことがあったからこそ、最後まで、指導学生たちは私を信じてついてきてくれたのだと、勝手に信じています。

一方で、情報が多すぎて、学生が消化不良になってしまったり、作業をこなしているという感覚になってしまってはいなかったかという自責の念もあります。

(そういうご指摘も他の先生からありました)

 

「まだまだ、私には研究を遂行する力も、学生を教育する力も足りていない」

 

それを再認識することができました。でも、悲観しているわけではありません。

凡人なので、伸びしろしかないと思っています。これまでと同じように、ゆっくりとでも成長していきたいと思います。

 

1か月後、私は民間の研究所に転職をします。

新たな研究のスキルを身に着け、小松の研究だと自信を持って言える研究を確立したいなと思っています。

 

幸いなことに卒論生の研究から成果も出てきているので、

残りの1か月は研究成果をまとめる道筋をしっかりつけてから、

横浜国大を去りたいと思います。

 

これから、研究室の打ち上げ、週末は自宅に学生たち(30名弱)を招いてのホームパーティーです。

まずは、彼らの労をねぎらってあげようと思います。

 

何もやらなくてよいことを明らかにする

研究の打ち合わせをしていて、

「何もやらなくてよいことを明らかにすることも価値がある」

という話になりました。

 

 

世の中、良くしていこうと思えば思うほど、「何かをやろうとする」傾向にあります。

でもそれって、正しいのでしょうか。

全体を見渡して、「何のためにやるのか」を今一度考え、

やるべきことを取捨選択する、ときには捨て去ることもジャッジとしては必要です。

良かれと思ってやっていることが、逆に、負の効果を生み出す可能性が大いにあります。

 

 

この「捨て去る」という行為は、言うのは簡単ですが、

実践するのは、すごく難しく、勇気のいることです。

人に納得してもらうだけの十分な証拠と論理を積み上げる必要があります。

 

 

日常生活でも、研究でも、このような目線が今の時代、特に必要だなと改めて思ったので、

備忘録として書き留めておきます。

自治体職員研修

今回で3回目になる自治体の職員研修に、講師として参加させていただきました。

3日間、座学(コンクリートの基本・劣化・補修補強)と演習(劣化診断)を担当させていただくことになりました。

 

今年は内容を大きく改善し、独自色を出すべく入念に準備を重ねて臨みました。

 

受講生の状況も例年同様、バラバラでした。

日常的に仕事でコンクリートに関する業務に携わっている方もいれば、そうでない人もいました。

コンクリートの知識や経験をそれなりに有している人もいれば、そうでない人もいました。

学生たちとも、また状況が違います。ただ、どんな状況でも受講生を満足させる必要があります。

 

意識したこと(講習の目的に掲げたこと)は、

・コンクリートに興味を持ってもらうこと

・勉強するきっかけとなる情報提供に努めること

・コミュニケーションの大切さを実感してもらうこと

としました。

 

講義の特徴としては、

・グループワーク(演習等)を多めに取り入れ、私と受講生、受講生同士がコミュニケーションをすることで、いろいろな意見や視点があることを感じてもらう形式とする。

・コンクリート小話(歴史的なことから最新のことまで)を都度はさむ。

・課題レポートは自由書式として、毎回コメントを付けて返す。次回の講義の最初には、気になったレポートを紹介する。

などでしょうか。

 

最終回のレポートを見ていて、概ね皆さん満足してくれていたようです。

「コンクリートを好きになった」

「身の回りのコンクリート構造物に、日頃から目が向くようになった」

「議論することの面白さ、大切さが身に染みて分かった」

等という声が非常に多く、大変うれしい感想でした。

 

いつものことながら、研修の講師を務めさせていただくことで、私自身がまた鍛えられ、成長させてもらいました。

よりよい講義ができるように、もっと自分自身がレベルアップしていきたいなと思います。

あれから5年

博士号の学位取得が、ちょうど5年前の今日でした。

facebookのリマインドで気づきました)

クリスマスイブに学位授与式があったんですね。

 

 

 

博士号を取得してから5年間、研究を振り返ってみると、

序盤の2年くらいは非常に悩み苦しんだ期間だったように思います。

結果的に、指導学生にも非常に迷惑をかけてしまいました。

上司からも叱咤され、研究者としてやっていけるという自信がまったく持てない時期でもありました。

 

 

 

中盤頃(3年目くらい)から、少しずつまともな指導ができ始めてきたように感じます。

きっかけは「小さな成功体験」の積み重ねだったように記憶しています。

(意図的にというよりは偶然もあったように思います)

研究の立ち上げ気であったこと、私の力不足であったことなどで、学生といっしょに試行錯誤していた感覚です。

その分、学生は鍛えられ、ぐっと成長してくれたという感覚です。

 

 

 

終盤(最近)の研究では、自分が思い描くように研究が進められるようになってきました。

また、「私と学生の研究」ではなく、「学内外の研究者と連携した実構造物を対象とした研究」ができるようになってきました。

その分、学生への指導(教育)に対して、自分の中で少し不満が残るようになってきました。

 

 

卒論・修論は指数関数的に達成度が増していくという話をしますが、

私の5年間も、これもやはり指数関数的だったように思います。

 

 

 

というように、がむしゃらに走ってきた、あっという間の5年間でした。

 

 

今後への課題も思うところはあるのですが、それはまた別の機会に。

実橋での実験

すっかりブログの更新が滞ってしまいました。

 

後期に入り、随分と私のわがままを研究室全体に押し通してしまっています。

非常に心苦しいのですが、寛容に見守ってくださっている上司の先生方、

協力してくれている研究室の学生の皆さんに感謝です。

 

さて、先日、約1年の準備期間を経て、学内の実橋のジョイント部で衝撃載荷の実験を行うことができました。

 

特に、この1か月は大変でした。

 

・舗装の除去

・ゲージ類を床版上や舗装内に埋設

 ・桁にゲージを設置

・段差部における衝撃力の計測(加速度計の利用)

・実橋における衝撃力の載荷実験

 

最後の実験の日は、約30時間、不眠不休でした。。。

 

土木(に限らず仕事)は段取りが大事だと言われますが、私にとっても初めての規模、初めての内容の実験で、勉強になりました。

いくら入念に段取りを行ったと思っていても、不測の事態というのも発生します。

とはいえ、その場その場で判断し、最善を尽くすというジャッジメントはできたのかなとは思います。

 

大掛かりな実験ですので、当然、私と学生だけで出来ることは限られています。

私の考えに賛同してくださった、複数の企業の方に協力していただきました。

感謝しかありません。 

 

これで終わりではなく、この計測結果を数値シミュレーションに落とし込む必要があります。

担当学生も、自分の研究に対して多くの人がかかわっていることが分かっているようで、非常にやる気になってくれています。

簡単ではないでしょうが、学生と一緒に、粘り強く、研究を進めたいと思います。

大学教員⇔研究者

教員5年目で、一つの集大成を迎えると思っている今年度は、

とにかく今の私の持てる力(能力と能力以上の人脈)をすべてつぎ込んで

研究をしている。(過去手を抜いているというわけではない)

その分、学生に研究の方向性や課題を与えすぎた教育になっていないか、少し気になっている。

私自身が年齢を経てきて、力をつけていることで学生との差が開き始めたこともあるかとは思うが。。。。

 

学生からしたら、やることや方向性が与えられた方が研究を進めるうえでは楽だと思う。

でも、それは私が目指す教育ではない。

 

論文も同様。私は、できるだけ学生に論文を書いてもらおうと思っている。

論文を書くまで(成果をまとめるまで)が研究だという指導をしている。

まとめるという過程で大きく力をつけるということを知っているからだ。

 

学生から、研究成果をまとめる機会を奪ってしまうのは、私はやりたくない。

でも、私自身が成果(論文)を残さないといけない立場であるというジレンマもある。

 

一口に大学と言っても、世の中にはいろいろな大学がある。

何が正解かなんてわからない。

 

私が大学で仕事をしている理由。それは私を大きく変え、育ててくれた大学という場に感謝しているから。

大学の教員として働く限りには、何が何でも「学生のために」を第一としたいと強く思う。

 

 一つ、書いておかなければいけないのは、

決して学生を非難しているということではないということ。

これは私自身の問題である。

 

書き進めていくうちに、だんだん私の勝手な思い上がりなのかもしれないとも思ったりする。

ただ、すこし悩んでいることなので、包み隠さず備忘録として書き留めようと思う。