台湾見学会(3月7日~10日)
少し日が空いてしまったのですが、台湾見学会に学生たちと行ってきました。
前々から見たかった、八田與一の嘉南平原の灌漑事業をはじめ、集集地震の被害の様子の視察、火力発電所の見学、台湾新幹線の乗車など内容盛りだくさんでした。
今回の見学会は、学生が計画段階から今に至るまで非常に主体的に関わってくれました。
土木に興味があり、成長したいという高い意識が感じられる学生ばかりです。
お恥ずかしい話、私が彼らと同じ年代の頃は、比べ物にもならないくらい低レベルでした(苦笑)
土木、大学教育の重要性、影響力の大きさをなんとなくは認識していましたが、
今回より際立たせてもらった感じです。
やっぱりこの仕事を選んでよかったなと思いました。
現在、感想文をまとめているのですが、私も書かせてもらいました。
**************以下感想文の転載******************
台湾見学会を振り返って
小松 怜史
教員として参加・引率した初の海外見学会。比較対象が無いので説得力に欠けますが、充実した素晴らしい見学会でした。言葉で表現しきれないのが悔しいのですが、プロジェクト立ち上げから、準備、当日、今こうして感想文をまとめているこの時瞬間まで、全てに思いがあふれています。この見学会に参加できた人(学生・卒業生・教員)は幸せですね。
素晴らしかった点を挙げれば切りがないので、八田與一が尽力した嘉南平原の灌漑事業について、感じたことを書こうと思います。
公共事業を箱物行政と揶揄することがあるかと思います。たしかに、造ることが目的になっていたのではそう言われても仕方がないかもしれません。でも、嘉南平原の灌漑事業は誰が見ても(おそらく公共事業に冷ややかな目を向けている素人の方でも)公共事業の大切さがわかると思います。知れば知るほど、この事業の奥深さが、(空間的・時間的な)スケールの大きさに心奪われます。八田與一は本気だったのだと思います。貧困にあえぐ台湾の人たちを憂い、本気で台湾の人たちの子孫繁栄を願ったのだと思います。
最終日の懇親会の席でも述べましたが、台湾新幹線の車窓から見た嘉南平原の風景が本当に金沢の田園風景そっくりで感動しました。八田與一は、きっとニンマリしながら、この景色を空から眺めているんだろうなと思います。
何かと人との関わりが希薄になりがちな今の世の中ですが、土木を通して、人を知り愛することの大切さを、色々な場面で学生たちに伝えていければと思います。
若手会見学会
今週の金曜日・土曜日とJCI関東支部の若手会21の現場見学会に参加してきました。
品木ダム、八ッ場ダム、月夜野大橋、碓氷第三橋梁などを見学しました。
夜は、懇親会しつつ、仕事の話や研究の話をしました。
土木・建築関係なく、同年代の人たち(民間、大学関係者)とこうして
横のつながりをもてるのは貴重ですし、楽しいですね。
特に面白かったのは、八ッ場と月夜野大橋。
八ッ場は何回か、訪れていますが、毎回様子が変わっています。
工事が本格化しており、6月ごろからは堤体のコンクリート打設も始まるようなので、
大学での見学会を企画したいな(備忘録)
月夜野大橋は、少し前業界で有名になった、過剰たわみが生じた橋です。
研究でメカニズムを解明し、それを設計までフィードバックした好事例です。
私の博士論文のモチベーションにもなっており、前から行きたい行きたいと思っていて、ようやく実現しました。
月夜野大橋の問題を解き明かした千々和先生、直々に解説してもらいました。
論文などには書かれていない裏話も教えてもらいました。
実際、現場に行くと肉眼でも分かるくらい、橋がたわんでいました。
車が通るたびに、大きくバウンドするくらいに・・・。
現場で困っていることを解決するテーマは面白いですねぇ。
こういう研究を、私もやりたい。現場に来てみて、思いが強くなりました。
つながり
東北2日目。
一関~釜石で、コンクリートの品質確保の取り組みがされている現場を複数見学させてもらいました。
今回参加を決めた理由は以下の2つでした。
1.これまで見ていない現場、進捗状況を知らない現場が多いので、自分の目で見る
2.普段会えない人にあう
行程を見ると盛りだくさんの内容だったので、大丈夫かなぁと心配していたのですが、
やはり1現場の時間は非常に限られていました。
どこまで参加者に、東北の取り組みが伝わっているのかなとは思いましたが、
それは今回伝えたい話題ではないので置いておくことにします。
個人的に気になるところは、施工者の方たちに聞けたので良かった。
現場を見れたことよりも、今回は、短い滞在時間の中で、普段会えない人と会い、
今後につながるよい球出しができたのが何よりの成果でした。
半井先生や群馬県の方たちと道中いろいろと話をできたのが大きい。
橋本先生とは帰り道、長いこと話をしました。すごく考え方に共感できて、大好きになりました。
明日どうしても大学に戻らなければいけなかったので、
懇親会には出られず日帰りですが、収穫の多い一日になりました。
3年目指導 ~今年1年のテーマ~
東北(仙台)に来ています。
今日は、コンクリート構造物の品質確保のの手引き(案)(トンネル覆工コンクリート)作成の会議に参加させてもらいました。
いろいろと見聞きしているはずなのに、結局ほとんど議論できませんでした。
原因は、主として勉強不足+アウトプット不足だと思う。
最前線で活躍されている人たちばかりなので、議論に加わるのは簡単なことではないとわかっていましたが、力不足感は否めません。
次年度、栃木県でコンクリート構造物の品質確保に関する研修会の講師を務めさせてもらうことが決まっています。自分の言葉で、東北の現状を伝える場面も出てこようかと思います。このままでは、いけない。
「勉強(インプット)+アウトプット」を明確に意識することが、どうやらこの1年大事になりそうだなと感じています。
*************************************
夜は、急きょ研究室の後輩と、仙台郊外で会うことになりました。
学生時代に最初に指導した学生で、思い入れの強い後輩の一人です。
仕事にプライベートに悩みを抱えながらも、社会人としてがんばっている姿に
素直に感心し、自分も負けていられないなと思いました。
話をすることで私は元気が出たし、後輩も楽しそうだったので、ちょっとでも会ってよかった。
やはり、コミュニケーション大事ですね。これから地方に来たら、その地域で頑張っている人たちと会い話をする機会を設けていきたいなと思いました。
2年目を振り返って
今日3月1日で、教員生活3年目に突入しました。5年任期の2年が終わりました。年度はまだ1か月ありますが、昨年同様ミッションステートメントを振り返りたいと思います。
・指導学生を意識して計画的に真摯に指導・教育する。到達目標は、研究成果を論文として発表できるレベル。
とりあえず、今指導させてもらっている学生と論文を書くことができたのはよかった。出来栄えはまだまだ満足できるようなレベルではありませんが。もっと彼とは議論して研究指導をしたいなと思います。
・遠慮せず、研究室の運営に積極的に取り組む。
いろいろと自分のアイデアを形にできているので、昨年度よりは良かったかな。大学全体のことにも手を出せたのは、私の中では成果です。
・積極的に研究資金を獲得する。最低自分一人の研究費が賄えるくらい。
こんなこと書いていいのかわかりませんが、十二分にいただけているので、それはよかった。
・自らも研究活動を行い、筆頭論文を最低1本以上、共著も1本以上、英文も1本以上を書く。
一応、クリアしていますが、それでもまだまだ満足できるレベルではない。もっと、自分の研究を進めないといけないなと。財産で論文を書いている感じなので、危機感は感じています。
・担当講義は昨年度の反省点、新たな知見を盛り込んた内容に再構成する。
それなりに工夫はしましたが、それでも到底満足できるレベルにはない。もっと私自身が楽しいと思える講義をしないといけません。
・積極的に学外の人たちと情報交換して、連携を図る努力を怠らない。
大学外の人と論文を書けたのでそれは成果。自分という存在を認めてもらえるように、外との連携は引き続き行いたい。
・英語論文を積極的に読む。最低毎週1本を英語の論文を読む。
これは正直できていない。ただただ、不甲斐ない。反省です。
・資格の取得(技術士、第一種安全衛生管理者)を目指す過程で、専門外の事も勉強する。
第一種安全衛生管理者は取れましたが、技術士はダメでした。次年度こそは。
・読書(月3冊以上)の時間をしっかりとる。
平均すると、とんとんくらいかな。読みかけの本も結構ある。ジャンルが偏っているので、もっと幅広く読みたいですね。
・ブログの更新頻度を上げる。研究室のHPを中心に、外部への情報発信を積極的に進める。
あまり頻度あがっていません。書くことでネガティブキャンペーンにならないよう、一言一句気を付けながら、書くことを意識しないと。このブログ、案外影響力あるんだなと再認識。
・研究室で定期購読している業界紙、雑誌、新聞に目を通す。朝の時間帯を有効に活用する。
毎朝とはいきませんでした。週1ペースでしょうか。インプットだけでなく、アウトプットしていかないとなぁ。
・周囲とのコミュニケーションの場を積極的に設ける、参加する。
場は作る努力はいくつかチャレンジしました。うまくまわりを巻き込めていたかというと、必ずしもそうではないと思う。
・妻はもちろん、親兄弟、叔父叔母など家族・親戚を大切にする。仕事のオン・オフをはっきりさせる。
昨年度よりは、家族の時間、プライベートの時間を大切にできたかな。家族の将来のことをいろいろと考えさせられる1年でした。
次年度のミッションステートメントは、3月中に出す予定です。
一期一会
一昨日、ISLの活動を通して知り合った、化学系の学生さんの博士号取得のお祝いをしました。
私が指導教員にしてもらったように、彼と夕食を取りながら、いろいろなことを語り合いました。
彼曰く、私は聞き上手らしいです。初めて言われましたが、そうなのかなぁ。
あまりにも語り合いすぎて、気が付けば閉店間際でした。
彼は私と知り合って以降(3か月前くらいでしょうか)、私のブログを読み返してくれたようです。
私の考え方や姿勢に共感してくれているのを強く感じ、嬉しく思いました。
同じ横国ドクターである彼を、ずっと応援していきたいなと思います。
昨日、彼から嬉しいメールをもらいました。転載許可をいただいたので掲載します。
教師冥利に尽きるとは、まさにこのことですね。
これからも、目の前の学生と、真剣に相対していきたいと思います。
*********************************
昨日は楽しい時間と美味しい食事、
**********************************
査読
今年から、初めて学会論文の査読をすることになった。
気づけば今週が締め切り。今週末は、丁寧に査読対象の論文を読んだ。
ただ単に、論文を読むのと違い非常に勉強になる。
当然ながら、筆者には最大限の敬意を払うべきで、まっとうな指摘(筆者のためになるような指摘)をするよう心掛ける必要がある。
重箱の隅をつつくような指摘ではなく、実験条件が不明確であったり、考察が十分になされていないなど、
読者にとって十分配慮がなされていないなと思うところを指摘するよう心掛けた。
そういう目で見ると、自分がこれまで論文作成において、指導教員に指摘されてきたことがよく理解できる。
また、過去の論文を十分リサーチできていないなぁという論文も多く見受けられた。
偉そうなことを書いておきながら、まだまだ自分が書く論文の(文章としての)完成度は決して高くない。
しっかりと基礎を固めて研究、論文執筆にあたりたい。