冬合宿 ~1次関数から指数関数へ~
2月5日~6日で、研究室恒例行事である冬合宿(ゼミ合宿)が足柄で開催されました。
5日にM2が5名、B4が7名、そして卒業生から1名の計13名が発表して議論しました。
議論開始が9:30で終わったのが17:30です。終わるころにはクタクタです。
その後は、食事会、カラオケ大会、2次会・・・と続き、気がつけば夜の2時でした(汗)泥のように眠りました。
話は脱線しましたが、今年は卒業生が5名来てくださり過去最多でした。
卒業生からの指摘は非常に貴重で、学生にとっても我々教員にとってもいい刺激です。
おそらく卒業生も得るものがあるから、こうして休みを割いて来てくださっていると理解しています。
いいことは、これからも続けていければと思います。
最後に、昨晩の懇親会で学生に向けて発言したことを備忘録としてメモしておきます。
「研究の達成度と時間の関係は指数関数のようであると忘年会である言ったが、
みなさんの現状は、おおよそ1次関数から指数関数になりそうな気配がただよっている段階である。
近似式が指数関数になりそうな雰囲気があるからこそ、厳しい指摘や議論もしている。
指数関数のような達成感を味わえる人は、経験上、自分に言い訳しなかった人である。
ぜひ、研究という一つのプロセスを通して、そのような達成感を味わってほしいと思う。
こちらも全力で指導するし、周囲もお互い助け合って高みを目指してください。
3月に我が家で楽しいホームパーティーしましょう!」
追記:思うことがあり、懐かしい写真をアップロード。
新たな展開
自身の中で、研究面がいろいろと新たな展開を迎えようとしているように思います。
数値シミュレーションソフトの開発委員会に入りました。
私にとっては、あまり経験がない未知の分野であり、普段いる組織とは対極的な人たちの委員会。
ソースコードをいじり、ソフトのメンテ・開発を任されるような流れに乗っていきそうです。
大学(土木)内でも、プログラミングを学生たちが自主的に勉強するサークルが発足するような動きがあります。
新しいことを始めるのは、なかなか大変だと思いますが、私の研究歴から生まれた一つの潮流として、少し流れに乗ってみてもよいのかなと思っています。
また、今年度からある企業と研究を学生と一緒に進めていましたが、
少し軌道に乗り始めたので、共同研究が始められることになりました。
連名での共同研究の経験はありましたが、単独では初となります。
嬉しさと、緊張感がありますが、やることは変わらないので、
責任ある仕事を任されたというこの状況を楽しみたいと思います。
企業から個別に相談される事も増ふえてきました。
一歩ずつ、自己の確立に向けて、良い風が吹き始めたのかな?
育ててくれたすべての人に感謝して、午後も学生との打ち合わせから頑張ります!
大満足な補修現場見学会
最近は、土木教室の教員の中で、一番多く見学会を企画・運営させてもらっています。
すべて、現場の方たちのおかげで見学させてもらっているわけですが、
今日の補修現場の見学会は、これまた面白かった!!!!!
横国の土木教室は、全国一の質と量の見学会を提供している(私の成果ではなく、私の上司の先生方のご功績です)と我々は思っているわけですが、実は補修現場の見学会は、そう多くありません。
私は、今回初めて「塗装の剥離作業」を見学させてもらいました。見るだけでなく、実際に体験もさせてもらいました。
我々見学者は、まず試験体(鋼の平板に塗装してある)で塗膜の除去作業を体験させてもらいました。特殊な薬品を散布して、1日程度待ちます。そうすると、塗装がリンゴの皮むきのように面白いように取れました。
一連の作業を体験させてもらったあと、保護具を身に付けて、実際の塗膜作業の現場に入り、作業の様子を見学させてもらいました。(古い塗装には、有害物質が含まれているので、作業する人は完全防備で作業に当たらないといけない)
平板とは違い、桁にガゼットやはボルトなどがついており、効率よく除去できません。古い塗膜は場所ごとに厚さも異なります。狭いところで、保護具をつけての作業は本当に大変そうでした。
我々の見えないところで、このような作業をしてくれる人がいるから、普通に生活できている。そう思うと、一人の人間として感謝せずにはいられないし、同時に、研究者として現場のための研究がしたいと改めて強く思いました。
最近は、単純に「自分が楽しいから見学会をやる」ようになってきました。
そう感じられるようになってきたのは、本当にここ最近です。
理由はいろいろあるように思いますが、そう思えたのも、しつこく続けてきたからです。
そういう心境の変化を感じられるようになってきたからこそ、本心で学生さんにも、彼らの視点で「現場見学会にきてよかった」と思ってもらいたい。
学生時代に、高い志をもって見学会に参加していたわけではないので、偉そうなアドバイスはできませんが、
そんなことよりも、自分が思いっきり楽しむこと、そんな姿を見せることが一番大事なんだろうなと思います。
昔よりも、土木が好きになってきました。
追記:今回の見学会は東大(教員と学生さん)と合同での開催でした。見学会後は、お酒を飲みながら懇親を深めました。コミュニケーション、大事ですね。大満足な見学会でした。
2016年振り返り そして 2017年の抱負
気づけば2017年になってしまいました。
皆様、新年あけましておめでとうございます。
実家に帰り、書初めをしました。今年は「継続」と書きました。
何事も、「継続」が難しい。地道にコツコツやっていくことでしか、
道は開かれいかないという思いから書きました。
書初めは、身が引き締まる思いがして、良いですね。
2017年もよろしくお願いします!
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年が変わってしまいましたが、2016年の振り返りをしておこうと思います。
前期(4月~9月)で自分の中での大きな経験は熊本地震の構造物被害調査に参加したことでしょうか。
余震も多いGWに現地入りしました。震災調査で一番守らなければいけないことは、住む方たちへの配慮です。
熊本の人たちは非常に優しく我々を迎えてくださいました。
自分の中で初めてかかわった震災調査が2011年の東日本大震災のときでした。
あれから5年。初回の調査は、唯一のコンクリートの専門家(大学の人間として)として参加しました。
そのときの経験を生かし、五感をフルに活用し、被害調査をしてきました。
こうした過ちを2度繰り返さないよう、今後の技術開発に結び付けていこうと心新たにしました。
後期に入り印象的だったのは、自分主体で少しずつ大学外の人たちと連携が取れ始め、
研究が進み始めたことです。
それも、現場(実構造物)での研究ができるようになってきたことです。
最初は、いろいろと強引なお願いも多かったなと思いますが、
いろいろと話をしていくうちに、だんだんと協働の雰囲気ができあがっていくのがわかりました。
3月までに、この流れを一つ形にするというところまでもっていければ
一つ自分の中で大きな自身になるのかなと思います。
追記:
妻と付き合い始めてから、9年が過ぎました。
仕事納めの翌日から、2人で伊豆大島に行ってきました。
東京から2時間。年末にもかかわらず、渋滞もなく悠々ドライブができて最高に気持いい旅行でした。
食べ物がおいしく、自然も雄大で感動しています。人も優しい。
そして、自然災害に対して、いろいろなところでコンクリートが活用されているのを見て、
やっぱりコンクリートってすごいなと感じられた年末でした。
おススメです!
YNU21
今日の昼休みに、教職員向けに開催された
横浜国立大学21世紀中長期ビジョン(YNU21)を語る会主催の懇談会に参加してきました。
これからの横浜国大(YNU)をどうしていきたいのかを、
学内から選抜された若手中堅の先生方が集まって話し合った結果の中間発表という形でした。
私は、聴衆の一人です。
きっと上記のような、お題目が掲げられると、「堅そうだなぁ」とか「自分には関係しないことだし」と思う人が多いように思います。
そもそも、多くの人が、なんでこんな会が必要なのか、真剣に考えないように思います。
私も感覚的に大事なことだと感じたから、このような会に参加したわけで、
じゃあ、例えば「50年後のYNUをよくするためのビジョンを示せ」詰め寄られたら、正直、回答に窮すると思います。
大学にいれば、多くの人は予定がないはずの昼休みの開催なのに、なぜ多くの教職員がこのような会に興味を持たない(こない)のか。
私の理解としては以下の3点かなと
1.自分が今いる組織の置かれている状況が正しく理解できていない
2.様々な理由で(言い訳して)状況を理解しようとしない、考えようとしない
3.無知な自分を悟られるのが怖い
広報の仕方が悪いとかは、もちろん影響がないとは言わないですが、
やはり本質からは、ずれているように思います。
私も偉そうに書いていますが、昨日(この会は、昨日と本日の2階ありました)は午後すぐの予定を理由に、この会に参加しませんでした。
今日の会に出てわかったのは、ビジョンをつくることがこの会の(当初の)目的なのではないということ。
自分の中で、「こうしたい、あるべきだ」というビジョンを持っていることは、何かをつくりあげていく(目標に到達する)、指針になるので大事だと思います。
ただし、時代や周辺環境の変化、知識が増えれば変化してもよいはずです。
社会人歴とか、立場とかを口にするのもいい訳で、それぞれの置かれている状況で、目指したい方向性(ビジョン)はあるはずです。
自分が普段考えていることや感じていることを構成員と共有することが何より大事で、
その中で、考えが洗練され、自分のビジョンの骨格が明確化する。
組織に属する以上、構成員の合意が必要なので、構成員のビジョンのすり合わせが組織としてのビジョンになるのだと思います。
もっとも自分に身近で、所属する最小の組織を考えると、それは家族です。
家族には幸せになってほしいし、そのためには徹底的に考え、ビジョンを示し、構成員と共有し、家族のビジョンを掲げ、小目標にブレークダウンして実行すると思います。
共有するビジョンに納得して、日々を過ごすと、我慢もあるけれど、なんか楽しいよなと思います。楽しくなければ、ビジョンのすり合わせがまずいか、
所属する組織が、そもそもどうなんだということになります。
(例:最近は、将来の小松家の将来像を考え、私の健康に配慮し、20代の時には考えられなかった、定期的な運動と食事制限を強いられておりますが、やってみると楽しい。)
家族でできて、社会的組織でできないとすれば、それは「自分の組織(仕事)が好きである(感謝している)」ことかなと思います。
私の場合は、母校なので非常にこの組織が好きですし感謝していますが、
所属するこの組織が必ずしも自分が望んだ組織でない人(仕方なくいる人)もいるかと思います。
今の自分自身としては、自分の影響範囲で、周囲に自分たちの組織を好きになってもらうよう、行動で示していきたいと思います。
主体性を育む
学生と相対していて、「主体性」をはぐくむことの難しさを、痛感しています。
別に学生に限った話ではない気もしますが、どのように周囲の人に主体的にかかわってもらうか。
何か物事を実行しようとしたとき、発案者と実行者が同じ場合は、当然その人は主体ですので、主体的なります。
ただ、多くの場合、物事は一人では達成できず、誰かの助けを借りることがあります。
そういう時に、どうしたら主体的に周囲を巻き込めるのか。。。。
一つには発案者が周囲の人に面白いと思わせることが必要でしょう。
その次に、マネージャーが周囲の人の活動環境を整えてあげること。
そして、適切にフォローアップしてあげることが大切なのだと思います。
最後の1つは、微妙なバランスが要求されるように思います。
手を出しすぎてもいけないし、出さなさ過ぎてもダメ。
適切にフォローアップするには、常に情報が発案者にフィードバックされるように、仕向けておく必要があります。
どうも、最後の一つが、私はまだイマイチなように思います。
自分に余裕がないということの裏返しとも言えますが。
今は、まだまだいろいろな人に助けていただきながら、自転車操業的にマネジメントしている状態です。
研究室、私が監督している学生団体、家族、友人・・・すべてが勉強の場です。
exp
いろいろと日々感じることがあっても、思うように、なかなか筆が進んでいません。
なんでだろうなと考えると、一因として、以前よりも深く考えられるようになってきたことが考えられます。その分、自分の考えをどのように整理して、人に伝えるよう書き記すかということに時間を取られ、苦戦しているように感じます。
思ったことをしっかり整理して書くのも、もちろん大切ですが、日々のちょっとした出来事を気軽に書くのも、このブログの目的からしてもしても大切です。
言い訳しないようにします(苦笑)
とりあえず、昨日の出来事(忘年会の様子と自分のスピーチの概略)を書き留めておこうと思います。
昨日は、研究室の忘年会でした。研究室のこうした公式の懇親会では
必ず全員がショートスピーチをしています。
時期も時期なので今年の反省と来年への抱負を語るわけですが、
M2やB4は、進捗は人それぞれにしても研究の繁忙期を迎えています。
スピーチも当然研究の話題が多く、肉体的にも精神的にも不安に陥りながら、
なんとかやり遂げたいという気持ちを伝えるスピーチが多かったように思います。
留学生は、人にもよりますが、研究に多少の不安を抱きつつも、人生をかけて日本に来ている人たちですので、どこか楽しんでいるような印象は受けました。
M1はB4の時のような追い込まれた状況にはないので、研究面で反省を口にしている学生もいました。
ただ、学年が一つ上がり、先輩という意識が芽生え始めたこと、研究室を支えるという役割から構成員としての意識が生まれたことなどから充実感もあり、これから迎える就活に研究に頑張りたいというスピーチが多かったように思います。
ここからはM2とB4へのメッセージを中心に書きます。
研究という行為は、誰も知らないこと、人類の新たな一歩を踏み出す行為なので、当初思っていた通りの解にたどり着かないこともあるかと思います。
そういう研究という行為を、研究の素人である学生が、教員に導かれながら自走して、今結果が出る前の、いちばん負荷の大きい重要な局面にいます。
そういう中で、どうしたら3月に達成感を味わうことができるのか。
研究という行為を通して、学生は指数関数的(exponential)に自分の成長が感じられると経験的に思いますし、それは多くの人が言っています。
そして、彼らがいう研究での達成感を味わうことができるのは、端的に言うと
「自分に言い訳しなかった人」
だと私は思います。
これ以上ないというぐらい考え抜き、勉強し、いろいろなことに(実験条件もそうだし、同じように頑張っている仲間にも)配慮し、教員に叱咤されても粘り強く食らいついていく。
その結果出てきた、答えは研究としてのお宝になるはずです。
そして、何よりこの経験が自分の将来への財産になるはずです。
そのためにも、我々教員は必死に環境を整備するし、最大限その環境を活用するよう意識してもらえればと思います。